私が「モノ」と表現するのには、もう1つ理由があります。
「物」と表現すると、どうも、物体そのもののように感じてしまうからです。

例えば、作家さんのことを「もの書き」と表現します。つまり、文章自体を「モノ」という音で表現するということです。しかし、「物」と書かれて、文章自体を思い浮かべることは少ないと思います。
やはり、「本」という実体あるものを想像すると思います。

しかし、「本」の価値は、その紙を束ねたその物体にあるのではなく、その紙に書かれた内容に価値があるのです。

以上を考えると、「モノ」という音の中に、もちろん物体としての物という意味もありますが、それ以外に、その内容そのものを指すこともできるのです。

さて、ここで考えたいのは、今、日本政府の方針は、コンテンツ事業に力を入れようとしていることです。

コンテンツとは、一般に、本であれば文章や絵のこと、コンピューターの世界では、ハードではなくソフト、その他映画やTV番組などを指す和製英語です。
つまり、実体のある「物」ではなく、その中身を指します。

今、日本は、産業を今までのイメージする「物」から、その内容(つまりコンテンツ)にシフトしていると言うことです。

その中で、「物」と表現していると、物体そのものをイメージしてしまいます。
しかし、これからの時代、その物体そのものよりも、その内容について考えていかなければなりません。

そこで、あえて、「物」ではなく「モノ」や「もの」という表現をすることにしています。

そうすることにより、「物」と「者(人)」と「コンテンツ」を同時に表そうとしているのです。

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